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古井戸/酔醒(1975)

2017/08/17 22:22
画像古井戸については長いこと、仲井戸麗市がRCサクセション以前にやっていたフォーク・デュオで、「さなえちゃん」というヒット曲があって…くらいの知識しかなかった。
随分経ってから、ひょんなきっかけで中古盤をまとめて入手して、リリースの順番もよく確かめずに聴いていた。
その中の1枚。

デビュー以来エレックからリリースしていた古井戸が、ソニーから出した唯一のアルバム。
コレが、それ以前とも以後とも違う表情のサウンドを聴かせる。
LPの帯には“古井戸が自らの手で、アレンジ・プロデュースし、混沌としたニューミュージック界に波紋を投じた衝撃のニューアルバム!”とある。
当時のニューミュージック界が混沌としていたのかどうかはよく知らんが。

何より大きな特徴は、山本剛(ピアノ)、福井五十雄(ベース)、山木秀夫(ドラム)からなる山本剛トリオをバックに迎えていること。
当時のジャズ界で気を吐いていたピアノ・トリオのバッキングを得て、ここでの古井戸はジャジーにしてブルージーな新生面を聴かせている。
ジョン山崎のハモンド・オルガンが入る「Whisky Romance」以外は全編がアコースティックで、仲井戸麗市は3曲でガット・ギターも用いている。
なんとも渋い味わい。
デビュー当時に聴かれた青さは感じられなくなっている。
アダルトな感触。
ジャジーな…というか、「おまえと俺」の後半なんかは完全にジャズそのものだ。

全12曲中5曲で仲井戸麗市がヴォーカルをとっていて。
コレは古井戸のアルバムの中でも最も多いはず。
(「スーパードライバー5月4日」は加奈崎芳太郎とのデュエット)
バンジョーとスプーンを加えたブルーグラス風の「雨に唄えば」をはじめ、仲井戸が歌う曲のほとんどに加奈崎が参加していない一方で、仲井戸が参加していない「遙かなる河」もあったり。

前後のアルバムと雰囲気が違い、過渡期あるいは番外編的な印象もあるアルバムだが、古井戸のアルバムの中で最初にCD化されたのがコレだったという。
後にRCサクセションで「Johnny Blue」としてリメイクされる「飲んだくれジョニイ」以下、名曲ぞろいの1枚。

帯にあるとおり、ここでの古井戸は既にフォーク・デュオではなく、いわゆるニューミュージックと言うべきだろう。
この後キティに移籍して、ニューミュージックというかむしろAOR的な音を聴かせる古井戸だが、活動は続かず解散に向かうこととなる。
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カバゴン先生さようなら

2017/08/16 21:26
画像先月の話になるが、サム・シェパードの訃報を知った時は「ああ…」と思った。
フレッド“ソニック”スミス、ロバート・メイプルソープ、アレン・ラニエに続いて、パティ・スミスが愛した男が、また一人逝った。
(パティに片思いしていたというサンディ・パールマンももういない)
7月27日、筋委縮性側索硬化症、享年73歳。
日本では『ライトスタッフ』に出ていた俳優として知られていたけど、本業は劇作家。
『砂丘』や『パリ、テキサス』の脚本も彼だったんだよな。
そして、元はと言えばTHE HOLY MODAL ROUNDERS(画像)のドラマー。
『砂丘』での仕事も含めて、かつてサイケデリックの一翼を担った人物だった。

今月8日には、グレン・キャンベルも亡くなっている。
享年81歳。
つい最近新作をリリースして、まだ現役だったのかと思っていたんだけど、かなり前からアルツハイマーを患っていたんだそうで。
アラン・トゥーサンの名曲「Southern Nights」を、本人以上にヒットさせた男。
“恋はフェニックス”というとんでもない邦題のヒット曲「By The Time I Get To Phoenix」も忘れ難い。
カントリーの生ける伝説だったが…遂に“生ける”が外れてしまった。

そして10日には阿部進が胃癌で。
享年87歳。
阿部進と言っても若い人にはさっぱりだろうが、俺が子供の頃には教育評論家“カバゴン”として、今の“尾木ママ”にも劣らないような知名度と人気があった。
少年ジャンプにも連載していて、読んでたな。
そこで印象に残っているのは、彼が早い段階から沖縄の高校球児に注目していたことで。
彼が予言した通り、その後沖縄からは、甲子園で活躍する高校が現れるようになるのだった。
もっとびっくりしたのは『スペクトルマン』への出演。
宇宙猿人ゴリとラーによって怪獣カバゴンに改造されてしまう阿部先生の役。
お話の中身はもううろ覚えだけど、スペクトルマンに倒されて人間に戻った阿部先生が、怪獣の自分が死なせてしまった子供たちを抱き抱えて号泣する…というけっこうショッキングなラストだったと記憶する。


阿部進の87歳どころか、サム・シェパードの73歳までも、自分が生きられる気はせんなあ。
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LARRY WALLIS/THE SOUND OF SPEED

2017/08/15 22:38
画像PINK FAIRIESの3代目ギタリストであり、MOTORHEADの初代ギタリストであったラリー・ウォリス…の、レア音源を収録した編集盤。
うおおおおお。
最近はPINK FAIRIESも新作をリリースしたりしてるし、このへんキてますかひょっとして。

10曲しか入ってなくて、他にももっとあるでしょ、と言いたくなるが、それはそれとして。
いずれもアツい。
ラリー・ウォリス自身によると思われる(“ラザ”名義)ライナーノーツも読める。

まずは1986年のレアなシングル曲「Leather Forever」「Seeing Double」。
参加メンバーはアンディ・コルホーン(ギター)、ダンカン・サンダーソン(ベース)、ジョージ・バトラー(ドラム)という、THE DEVIANTSでPINK FAIRIESでLIGHTNING RAIDERSな人たち。
「Seeing Double」は同時期の再編PINK FAIRIESのアルバムでも再演された曲。

最も興味深いのは、幻となったスティッフ・レコードでのソロ・アルバム用に録音されていた音源だろう。
「I Think It's Coming Back Again」「I Can't See What It's Got To Do With Me」「Crying All Night」「Story Of My Life」の4曲。
こちらはビッグ・ジョージ・ウェブリー(ベース)、ディーク・レオナード(ギター)、ピート・トーマス(ドラム)が参加。
ジョージ・ウェブリーはラリー・ウォリスが80年代前半にやっていたTHE DEATH COMMANDOS OF LOVEのメンバーだった人で、ラリーのソロ・アルバム『DEATH IN THE GUITARFTERNOON』にも参加していたベーシスト。
他にもいろいろなレコードに参加していて、基本的にはセッションマンだと思う。
ディークはもちろんMAN、ピートはELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS。
すげえメンツ。
PINK FAIRIESのスティッフ時代のシングルや、ビッグ・ビートからのミニアルバム『PREVIOUSLY UNRELEASED』あたりを思わせる、タフなR&R。
「I Think It's Coming Back Again」は『PREVIOUSLY UNRELEASED』で、「Crying All Night」は『DEATH IN THE GUITARFTERNOON』で、それぞれ再録されている。

そして、『DEATH IN THE GUITARFTERNOON』用の未発表デモ「Old Enough To Know Better」。
コレはすべての楽器をラリー・ウォリスがプレイしている。
曲順はスティッフ時代の4曲とごちゃ混ぜなのだが、違和感なく聴けるのが凄い。

更にラリー・ウォリスが90年代初頭にやっていたTHE REDBIRDSの「It Ain't Enough」。
このアルバムでは何故かこの曲についてだけ解説もクレジットもないんだけど、ベースがフィル・ミッチェル(Dr.FEELGOOD)で、ドラムがクリス・ノース(THE ENIDのドラマーと同じ名前なんだけど…誰?)だろう。

あと、ラリー・ウォリスが80年代半ばにやっていたらしいLOVE PIRATES OF DOOMの「I Love You So You're Mine」。
LOVE PIRATES OF DOOMというのは、実はシングル「Leather Forever」と同じメンツ。

で、ラストはEXIT WOUND名義の「Meatman!」。
この曲は『DEATH IN THE GUITARFTERNOON』に収録されているが、EXIT WOUNDはすべてのパートをラリー・ウォリスが担当している、らしい。
2000年の録音、のはず。

これらの音源のほとんどは、その昔英国のPINK FAIRIESファンジン「UNCLE HARRY'S CITY KIDS」が制作したオフィシャル・ブート的な編集盤CD『HAMS』のシリーズに収録されていたのだが。
それも今じゃ入手困難だろうし、こうして1枚のCDにまとめられたのは実に喜ばしいことだ。
PINK FAIRIESをドライヴさせ、MOTORHEADの最初のトライアングルを成したラリー・ウォリスの豪放なヴォーカルとギターを存分に楽しむことが出来る。


ただ…このアルバム、権利関係の怪しい音源で有名なクレオパトラ・レコーズ傘下のパープル・ピラミッド・レコーズからのリリースなんだけど。
ネットで幾ら検索しても、リリースに関する情報がまったくないのである。
本当にリリースされてるのか、あるいはこれからリリースされるモノなのか。
俺自身は、さる筋から入手して、こうして毎日聴きまくっているんだが。
うーん、謎だ。
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THE DEVIL DOGS/LIVE AT THE REVOLVER CLUB(1991)

2017/08/14 21:11
画像90年代前半のアンダーグラウンドなR&R界で熱狂的に支持されたニューヨークのバンド、THE DEVIL DOGS。
コレはスペインのインポ渋る…じゃなかったIMPOSSIBLEからリリースされた(ってかこのネタ前にもやったぞ!)ライヴ・アルバム。
ジャケットには“THE GREATEST ROCK'N'ROLL ALBUM YOU'LL NEVER HEAR!”とある。

メンバーはアンディ・ゴートラー(ギター、ヴォーカル)、スティーヴ・ベイズ(ベース、ヴォーカル)のオリジナル・メンバー二人に、2代目ドラマーのデイヴ・アリ、そしてサポート・ギタリストでプロデューサーでもあったマイク・マリコンダ(RAUNCH HANDS)の4人。
以前このブログで紹介した7inch「Get On Your Knees」と同じ編成。
録音の日時はクレジットされていないが、全10曲中6曲が1stアルバム『THE DEVIL DOGS』(1989年)収録曲で、デイヴの加入が90年春ということを考えると、90年のライヴなのは間違いないだろう。
ミキシングはマリコンダが担当している。

とにかくファストでワイルド、一方ポップでキャッチーなTHE DEVIL DOGSの魅力が詰め込まれた1枚。
どのアルバムにも速いのにメロディの立ったR&Rが入っていたDEVIL DOGSだけど、こうして初期のライヴを聴くと、彼らのソングライティングが1stアルバムの時点で傑出したモノだったことがわかる。

そしてカヴァーのチョイスも実にナイスだった。
『THE DEVIL DOGS』でもTHE DICTATORSやDMZを取り上げていたDEVIL DOGS、このライヴではオーストラリアのFUN THINGSの「Time Enough For Love」を演奏している。
(1990年の2ndアルバム『BIG BEEF BONANZA!』に収録)
あと、エルヴィス・プレスリーの最後のヒット曲として知られる「Burnin' Love」も。
パンクやガレージだけじゃなく、THE RONETTESだのジーン・ピットニーだのをカヴァーしたりもするのがこのバンドの懐深さだったと思う。

俺がTHE DEVIL DOGSを知ったのは、彼らが初来日を果たした1991年春のことだった。
その後94年4月の2度目の来日を観てズガンとやられ。
当時やっていたファンジンでインタヴューしたぐらい入れ込んだんだけど。
しかしバンドは続かず。
こんなにいいバンドをやっていたメンバーたち(というかフロントの二人)が、その後大した活躍をしていないのは実に残念。
ただ、前にも書いたけど、その分このバンドがそれだけ特別だったということでもあるのかも。
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『マンガ 世界を操る秘密結社に潜入! フリーメイスンの謎と正体』

2017/08/13 21:42
画像コレ、2月末に出てすぐ入手してた本なんだけど。
最近になってようやく読んだ。
無理矢理“今日の新刊”枠で紹介。

タイトルから「あ〜」とか思う人も多いかも知れないが。
まあいわゆる“トンデモ本”と思っても間違いない。
タイトル通り、漫画とテキストでフリーメイスン(一般に“フリーメーソン”“フリーメイソン”と表記されていることが多いけど、発音としては“フリーメイスン”が近いと思う)の謎に迫らんとする1冊。

冒頭、フリーメイスンのバーベキューパーティーに参加したことがあるという有名なオカルト研究家・山口敏太郎(十四代目トイレの花子さんの所属事務所の社長でもある)へのインタヴューを漫画化していて。
そこではフリーメイスンについて“お金持ちの仲良しクラブ”と語られているんだけど。
本編を読み進めて行くと、まあ出てくる出てくる陰謀論のオンパレード。
「フリーメイスンは〇〇しているとされる」みたいな言説が繰り返し出てくるんだが、何を以てその根拠としているのかよくわからないところが多い。
“東京スカイツリーもフリーメイスンを象徴する建物だ”とか。
ヒトラーのことを“ユダヤ人を中心とするフリーメイスンの世界支配を阻止しようとする反逆者であった”とか。
薩長同盟を成立させたのはフリーメイスンの一員だったトーマス・グラバーで、坂本龍馬は“その小間使いに過ぎなかった”とか。
フリーメイスンが気象兵器を用いているとして“もはや天変地異さえも思いのままに操るフリーメイスン”とか。
THE BEATLESの成功を“もちろん、メイスンのサポートがあったからこそである”とか。
「それ、断定的な口調で書いちゃってるけどいいの?」と思わざるを得ない部分がかなり多い。
(“〜”はすべて本文からの引用)
大体、フリーメイスンが組織内部で政治や宗教を語ることをタブーにしているというのなら、アメリカ大統領選に関わっているとか戦争を引き起こしているというのはあり得ないことになるはずなんだけど。

…とはいえ、信頼に足る部分や興味深い部分が多いのも確か。
記録やデータに基づいて、誰それが何年何月にフリーメイスンに加入したとか、何処そこにフリーメイスンのシンボルマークが刻まれているとか、客観的な事実もいろいろと記されている。
俺は元々フリーメイスンのことはあんまりよく知らなくて、その上部組織のように言われている“イルミナティ”についても全然知らなかったんだけど、この本を読むとイルミナティの成り立ちやフリーメイスンとの関係も理解することが出来る。
そういった確かな情報を元にして、自分なりにフリーメイスンに対する考察を進める上で、十分参考になる本だとは思う。
個人的には、公式HPもちゃんとあって、そこで“秘密結社ではなく秘密のある結社”みたいなことを公言している団体が、まさか世界を操る陰謀集団ってこたあないだろうとか思うんだが、それはあくまで俺の印象として。

それにしても、日本のフリーメイスンが厚生労働省の認可を受けた多くの慈善団体を運営しているとはね。
(検索してみたら、みんな知ってるアレもコレもそうだったとは…)
ともあれ、センセーショナリズムも含めてこの本を楽しく読める人は多いだろうし、とっかかりとしては面白い1冊だと思います。
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「Punk nuts Party」@新宿LiveFreak

2017/08/12 22:31
画像11日。
新宿LiveFreak、自分が出演者じゃなくて顔を出すのは、実は初めて。

一番手、JESSY。
見た目がかなりバラバラな3人組。
明らかにジョニー・サンダース直系のギタリストと、前ノリで猪突猛進型のドラマーというアンバランスさが、俺には逆に面白く聴けた。
そして、ウェットなメロディ。
最後に演ったTHE HONG KONG KNIFE「Cherished Memories」のカヴァーに納得。

二番手、IDENTITY CRISIS。
SHADY DOLLSのベーシストだった津田正がギターを弾いて歌うトリオ。
『マッドマックス』シリーズに出てきそうな赤いモホーク・ヘアのベーシストと、しなやかでパワフルなプレイを聴かせる美人女性ドラマーを従えて津田が貫録十分に放つR&Rジャンキーな世界。
“ありがとう”とまっすぐに歌われるラヴソングが矮小にも陳腐にも響かない、年季の入った大きなノリのロックを聴かせる。

三番手、久々に観るザ☆ペラーズ。
変わってないなー。
古式ゆかしい日本語パンク・ロックを、ギリギリのところで伝統芸能になるのを回避しつつ聴かせ。
荒くれ者風のキャラクターで、その実しっかりエンターテインしてみせる。
アキタ(ヴォーカル)はイケメンとかと関係ない地平で実にイイ男だ。

四番手、1ヵ月ぶりに観るD・O・T。
赤いヴェールをまとって登場したNEKO、そのヴェールを外すと、2曲目「Less Is More」ではフロアに飛び出して踊りまくる。
それにしても、観る度に曲目も曲順も演出もガラッと変えてくるバンドだ。
そしてリードとリズムを同時に弾くようなベースを聴かせるHIROSHI。
風邪のため声が出ず、出番以外ではマスクを手放さなかったのに、ステージでは重く速いドラムを叩きながら問題なくコーラスをとるMARU。
NEKOは初めて出演したLiveFreakで自分の声が上手くモニター出来なかったようで、後半は明らかにやりづらそうだったが、ともあれ唯一無二のアラビック・ハードコアでフロアは大いに盛り上がった。

トリ前、PiNKY。
ザ☆ペラーズ同様、相当久しぶりに観た。
超キュートな女性ヴォーカルをフィーチュアしたポップでキャッチーなパンク/R&Rは以前と変わらず。
ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムのベーシックな4人編成で、何も足さず何も引かないベーシックなアンサンブル。
そのシンプルさがヴォーカルのパフォーマンスをより一層引き立てるのだと思う。

そしてトリがHOT&COOL(画像)。
徹頭徹尾突っ走るスピードR&Rは安心のHOT&COOL印、それでいてルーティンやマンネリに陥ることのないスリル。
で、2〜3曲に1回出てくるカネヤ(ベース、ヴォーカル)とオオグチ(ギター、ヴォーカル)のキメポーズ。
まさにR&R馬鹿。
俺が初めてHOT&COOLを観た頃(20年近く前)に彼らと対バンしていたバンドはもう多くが存在しないが、HOT&COOLは何も変わらず活動を続け、息をするようにロックし続ける。
人生の苦さを存分に味わいながら放たれる、パンクで前向きな歌の数々。
このバンドはもっともっと売れてほしいなー。

DJ TAKA!のプレイも実にゴキゲンで、結局サクッと電車を逃し、朝まで飲み続けることに。
ともあれ非常に楽しゅうございました。
一緒に過ごしたすべての皆様に感謝。
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THE COBA SEAS/UNREFORMED(2010)

2017/08/10 22:33
画像昨日告知した映画『ギミー・デンジャー』の件に絡めて、というワケじゃないんだけど。
IGGY AND THE STOOGESのギタリスト、ジェイムズ・ウィリアムソンが高校生の時にやっていたバンド(!)の発掘音源。

THE COBA SEASは、ニューヨークのアンダーソン・スクールの生徒たちによって結成されている。
結成時のメンバーはジェイムズ・ウィリアムソン(リード・ギター)、アンディ・ユード(リズム・ギター)、マイケル・イアン・ローゼン(ベース、ヴォーカル)、マイケル・アダムズ(ドラム)の4人。
その後マイケル・ローゼンがヴォーカルに専念するため、クレイグ・ウルフ(ベース)が参加して5人組に。
バンドは学内のパーティーなどで活動していたという。
ジャケットの真ん中でリッケンバッカーを構えているのが、少年時代のジェイムズその人。

プロフェッショナルな活動とはほど遠かったTHE COBA SEASだが、こうして音源が残った。
マイケル・アダムズの父親、M・クレイ・アダムズ…が、実はTHE BEATLESのSHEA STUDIUM公演の録音にも関わったプロのエンジニアだったそうで。
クレイ・アダムズがバンドの演奏を録音したアセテート盤が、このレコードのソースになっている。

収録されているのはすべてカヴァー。
PAUL REVERE & THE RAIDERS「Just Like Me」、THE ROLLING STONES「Empty Heart」「Heart Of Stone」、THE ANIMALS「It's My Life」、THE KINGSMEN「Louie Louie」、THEM「Gloria」の6曲。
ここではクレイグ・ウルフは参加しておらず、マイケル・ローゼンがベースを弾いていて、そのためヴォーカルは入っていない。
“インストゥルメンタル”というよりは、単に歌が入っていない“カラオケ”という感じ。
ジェイムズ・ウィリアムソンを中心に、10代の学生バンドとしてはかなり達者な演奏を聴かせるが(「Gloria」は11分近くある)、はっきり言ってしまえばそれ以上でもそれ以下でもない。
ジェイムズのギターも、まあ当然とはいえ、後のソリッドさは聴かれない。
IGGY AND THE STOOGESの熱狂的なファン以外には及びでない1枚…という気もするけど、少なくとも俺には非常に興味深く聴けるアルバム。

その後ジェイムズ・ウィリアムソンはアンダーソン・スクールをドロップアウトしてデトロイトに戻り、スコット・リチャードソン(ヴォーカル)やロン・アシュトン(ベース)とCHOSEN FEWを結成。
数年後にはTHE STOOGES/IGGY AND THE STOOGESで活躍。
マイケル・ローゼンとマイケル・アダムズは音楽業界で働き。
アンディ・ユードは精神科医になったという。
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映画『ギミー・デンジャー』先行上映&トーク・イヴェント

2017/08/09 20:23
画像先日このブログで紹介したTHE STOOGESのドキュメンタリー映画『ギミー・デンジャー』。
9月2日(土)からいよいよ公開なのですが。
新宿シネマカリテで先行上映が行なわれることになり。
そこでGUITAR WOLFのセイジさんと俺がトークショーをやることになりまして。


以下、映画公式サイトの告知より。


8/18(金)カリコレでの『ギミー・デンジャー』先行上映時に、
スペシャルなトークイベントが決定しました!
先日行われたサンフランシスコのロックフェスでイギーと共演されたばかりの、ギターウルフ セイジさん、聞き手に音楽ライターの大越よしはるさんをお招きします!!!
日時:8月18日(金)18:30の回 ■上映前トークイベント
場所:新宿シネマカリテにて
ゲスト:ギターウルフ セイジ
MC:大越よしはる
チケット、劇場へのアクセスは、こちらをご確認ください→
http://qualite.musashino-k.jp/quali-colle2017/ticket.php
<ご注意ください>
『ギミー・デンジャー』の前売り券は、18日のカリコレでの上映時にはご使用になれません。9/2の『ギミー・デンジャー』公開日よりご利用いただけます。ご了承ください。
(敬称略)


以上。

いやー、トークの仕事、10年ぶりぐらいだわー。
しかもお相手があのGUITAR WOLFセイジさん。
頑張ってしゃべりますんで、御都合付く皆様は是非いらしてね。


…でまあ、18日に気になるイヴェントとかあったんだけど、自動的に顔出せんくなりました。
ごめんなさーい。


(C)2016 Low Mind Films Inc
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再び町田へと

2017/08/08 20:58
画像7月の「RUDE MOOD」から2ヵ月と経たず、調子こいてまた町田行っちゃいます。
お呼びがかかるのは誠にありがたいことでございます。
今回は「RUDE MOOD」主催の二人に、「HANKY PANKY」のDJ陣、更にDJあべし率いる「あべし会」が合流ということで、三つ巴阿鼻叫喚のイヴェントとなりましょう。
(なんか違う)


「RUDE MOOD -With HANKY PANKY ABESHI-KAI-」@町田Nutty's
9月3日(日)16:00〜
1000円(with 1D)

RUDE MOOD DJ's
 ATSUYA
 REN

HANKY PANKY DJ's
 MITCH
 大越よしはる
 YOU
 ムラマツヒロキ
 阿部孝行

あべし会DJ's
 あべし

and more DJ's!!!


1ヵ月先なんで、現時点では何を回すか全然考えてないんだけど、まあ多分また馬鹿R&Rです。
一番重要なのは…酔っ払ってミスしないこと!(苦笑)

9〜10月にかけては他にも都内のあちこちでDJ予定が入ってますので、これから順次告知して行きます。
皆様、是非御一緒しましょう。
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TV EYE/1977-1978

2017/08/07 23:29
画像4月のリリースで、10日ほど前に入手。

TV EYE。
1976年結成。
THE PREFECTS(以前このブログで紹介)と並んで、バーミンガムで最初期のパンク・バンドと言われる。
このCDの副題も“The lost studio recordings & no-fi relics of Birmingham's first Garage-Punk band”と。
(なげえよ!)
スタジオ録音の5曲と、リハーサル音源8曲を収録。

バンドはバーミンガムのモズレイ・アート・スクールの学生だったアンディ・ウィケット(ヴォーカル)、デイヴ・カスワース(ギター)、アーモン・ダフィ(ベース)を中心に結成。
当時、メンバーは17〜18歳だったという。
1977年にはポール・アダムス(ギター)が加入し、ドラマーがSHOCK TREATMENTというバンドのヴォーカリストだったデイヴ・トゥイストに交代。

で、ギターがデイヴ・カスワース?
そう、このバンド、後にJACOBITESなどで活躍するデイヴが10代の頃に参加していたバンドなのだった。

バンド名はもちろんTHE STOOGESの名曲に由来しているが、音楽的にはNEW YORK DOLLSの影響が大きかったらしい。
デイヴ・カスワースがいたことを思えば、納得ではある。
ただ、曲自体はNEW YORK DOLLSにもそれほど似ていないと思う。
はっきり言って上手くはないものの、子供っぽい声で独特なメロディを聴かせるアンディ・ウィケットのヴォーカル…を中心に、時代を先取りするかのようなニュー・ウェイヴ色をも感じさせるパンク・ロック。
活動当時にレコードのリリースはなかったのだけど、バーミンガムの後進バンド勢にはかなり大きく影響したとか。
(スタジオ録音の「Stevie's Radio Station」は、1984年になってオムニバスに収録)

…実際のところ、デイヴ・カスワースがかつて在籍したオブスキュアなバンド、では済まされなかった。
TV EYEの影響を受けて、バーミンガムで1978年に結成されたのが…DURAN DURAN!
初代ヴォーカリストのスティーヴン・ダフィが脱退した後、DURAN DURANの2代目ヴォーカリストを務めたのが、誰あろうアンディ・ウィケットなのだった!
えー。
(初期DURAN DURANの名曲「Girls On Film」はアンディ在籍時の曲で、アンディが歌う音源も近年発掘リリースされている)
しかも、アンディが抜けたTV EYEにはスティーヴンが加入したという。
なんだそりゃー。
しかしTV EYEは間もなく解散。

…で、TV EYEの「Stevie's Radio Station」は、後にDURAN DURANの大ヒット曲「Rio」に改作されたのだという(!)。
もう一度「Stevie's Radio Station」を聴き直してみた。
ああっ、コード進行が「Rio」と同じ!

その後アンディ・ウィケットはDURAN DURANを脱退。
3代目ヴォーカリストとしてサイモン・ル・ボンを迎えたDURAN DURANは大スターの道を歩むことに。
DURAN DURANを抜けたアンディはレゲエ・バンドXpertzに参加するが、シングル1枚で解散。
1988年にはワールド・ミュージック志向の大所帯バンド・WORLD SERVICEを結成し、90年代には古巣DURAN DURANとツアーもするが、単独音源のないまま解散。
現在はMAU 61というバンドで活動している模様。

デイヴ・トゥイストもTV EYEを脱退。
このCD、リハーサル音源ではデイヴが叩いているが、スタジオ録音では“ゴフ”というドラマー(正体不明:メンバーも“ゴドフリーなんとか”としか覚えていないらしい)がプレイしている。
で、デイヴはTV EYEを解散させたアーモン・ダフィと共に、1978年にはTHE PREFECTSに参加。
(以前このブログで紹介したPREFECTSのライヴ音源でも演奏している)
アーモンがその後もPREFECTS→後身バンド・NIGHTINGALESでの活動を続けた一方で、PREFECTSを脱退したデイヴはスティーヴン・ダフィ&デイヴ・カスワースと再び合流して79年にTHE HAWKSを結成するが、シングル1枚で解散。
その後THE SCARECROWS〜THE FILIPINOSを経て、またもデイヴと合流し、DAVE KUSWORTH AND THE TENDERHOOKSに参加している。
TV EYEの2代目ヴォーカリスト、スティーヴン“ティンティン”ダフィのその後については、言うまでもないだろう。

ってかバーミンガムのパンク/ニュー・ウェイヴ(&ニューロマンティクス)シーン、狭過ぎるぞ!
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BLUE OYSTER CULT/IN MY MOUTH OR ON THE…(1976)

2017/08/06 21:51
画像80年代末までにBLUE OYSTER CULTのオリジナル・アルバムを全部買いそろえ。
90年代に入るとブートに手を出し始め、泥沼にハマって行く(笑)。
ちょうどその頃、北海道から新潟に引っ越し、新幹線で都内に出ては西新宿のブート屋界隈をうろつくようになっていた、絶好のタイミング(苦笑)。

で、初めて買ったBLUE OYSTER CULTのブートがコレだった。
アナログ10inch、4曲入りEP。
タイトルは、正確には『IN MY MOUTH OR ON THE GROUND』です。
(ウェブリブログのタイトル字数制限にひっかかった)

このブートは幾つかのレーベルからリリースされているのだが。
俺が持っているのはルースレス・ライムズというレーベルからリリースされたドイツ盤。
レーベル面には1971年とクレジットされているが、そんなはずない、BLUE OYSTER CULTのデビューは72年なんだから(笑)。
実際、ジャケットには“NEW YORK 1972”とある。
で、このブートがリリースされたのは、76年のことだった様子。
代表曲「Cities On Flame With Rock And Roll」が「City On Flame」と誤表記されている。

そんな怪しげなブツだが。
しかし、コレを入手した時、そして初めて聴いた時は、それはもうとんでもなく興奮したモノだった。
正規リリースされていたどのライヴ音源とも違った、そのダークでクールな音に。

1992年にはフランスのスカイドッグから『BLUE OYSTER CULT』というタイトルでCD化。
更に95年にはソニーからリリースされた2枚組ベスト『WORKSHOP OF THE TELESCOPES』に2曲収録。
そこには“previously commercially unissued-promotional”との表記が。
音質の良さからも薄々想像していたが、元々ブートじゃなくてプロモ音源だったのか?

そのあたりは、現在では海外のマニア諸氏によってかなり明らかにされている。
このライヴ音源、元々は1972年4月3日にニューヨーク州ロチェスターのNUGGET'S PIZZA PARLOURという場所(ピザ・パーラー? ライヴハウスじゃなくてピザ屋?)で録音されたモノで。
WCMF-FMというラジオ局での放送用音源だったという。
それを元にコロンビア・レコーズがレコード店向けのプロモ盤として制作した『BOOTLEG EP』というのが、後々までブートのソースとなった、というワケだ。
(元々のタイトルからして、付けも付けたり)

『BOOTLEG EP』はBLUE OYSTER CULTの初期オリジナル・アルバム同様、サンディ・パールマンとマーレイ・クルーグマンのコンビがプロデューサーとしてクレジットされていて。
1stアルバム『BLUE OYSTER CULT』(1972年)ではなく、2ndアルバム『TYRANNY AND MUTATION』(73年)に先行するプロモーションに用いられたらしい。
『TYRANNY AND MUTATION』に収録された「The Red And The Black」が演奏されているのも道理というワケだ。

『BOOTLEG EP』には、A面に「The Red And The Black」と「Buck's Boogie」、B面に「Workshop Of The Telescopes」と「Cities On Flame With Rock And Roll」が収録されている。
一方このブート10inchは、A・B面が逆。
しかし、それが却って効果的というか。
ダークでダルでクールな曲が多くを占める『BLUE OYSTER CULT』B面の中でも特に異彩を放っている「Workshop Of The Telescopes」…がA面1曲目でいきなり聴こえてくるブートの曲順の方が、元祖へヴィ・メタルと呼ばれながら実際にはサイケデリックとニューヨーク・パンクの橋渡しのような存在であるBLUE OYSTER CULTに似つかわしい気が。
演奏前にエリック・ブルーム(ヴォーカル、ギター)が曲名をぼそっとつぶやくところからもうたまらん。
他の3曲も、後のライヴ盤で聴けるようなへヴィネスやハードネスより、クールさが際立つ感じ。
「The Red And The Black」も、『BLUE OYSTER CULT』収録の“原曲”(?)「I'm On The Lamb But I Ain't No Sheep」と「The Red And The Black」のちょうど中間のようなテンポとアレンジで、実に興味深い。


ちなみに、このブートの4曲に前身バンド・THE STALK-FORREST GROUPのシングル両面を加えた6曲入りのブートLP『FANTASY DISTILLATION OF REALITY』というのもあって。
そちらに至っては、ジャケットの印刷の色違いで2枚持っているという…(アホや)。
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THE INMATES/THE ALBUMS 1979-82

2017/08/05 22:34
画像6月のリリース。
THE INMATES(ジャケットどおりの表記だとiNMaTES)の初期3作にボーナス・トラックを加えたBOXセット。
なんと、3rdアルバムは初CD化なんだそうで(!)。

バンドは1978年に結成。
元THE CANNIBALSの“ピーター・ガン”ことピーター・スタインズ(リード・ギター)とベン・ドネリー(ベース)に、ビル・ハーリー(ヴォーカル)とトニー・オリヴァー(リズム・ギター)。
当初は正式なドラマーが不在だったようで、1stアルバムではほとんどの曲でTHE VIBRATORSのエディがドラムを叩いていた。

1stアルバム『FiRST OFFENCE』は、1979年のリリース。
プロデュースは英国ロック・シーンにその名を轟かせたR&R録音鬼、故ヴィック・メイル。
音楽性は先達・Dr.FEELGOODにも近いが、ガレージ色がやや強めなのが初期のTHE INMATESの個性だった。
1曲目からTHE STANDELLSのカヴァー「Dirty Water」。
更にTHE PRETTY THINGSの「Midnight To Six Man」。
それ以外もカヴァーが多く、オリジナル曲はアルバム13曲中5曲しかない。
基本的にはアーサー・コンリーとかドン・コヴェイとか黒人音楽のカヴァーが中心で、適宜ホーンズもフィーチュアして、ソウルフルに盛り上げる。
(「Jeanie Jeanie Jeanie」なんかも演ってるけど)
多くないオリジナルもかなり強力で、渋いバラード「If Time Could Turn Backwards」なんかはスタックスの名曲カヴァーみたいにも聴こえる。
ホーンズの入った曲では、なんとなく札幌のBAKER SHOP BOOGIE(知ってる?)を思い出したりも。
一方でDr.FEELGOODを思わせるタフな疾走感の「Back In History」とか。
そしてロバート・プラントが絶賛したというビル・ハーリーの迫力ある歌唱。
(顔も体も他のメンバーより一回りデカい)
ボーナス・トラックの2曲はシングルB面曲で、やはりカヴァー。

『FiRST OFFENCE』は全英チャートのトップ40に入り、シングル「Dirty Water」は全米51位。
その勢いで1980年にリリースされた2ndアルバムが『SHOT IN THE DARK』。
プロデュースは引き続きヴィック・メイル。
正規のドラマーとして、CURVED AIR(!)から山口百恵(!!)まで手広くセッション仕事をしていた名手ジム・ラッセルが加入。
今度の1曲目はTHE MUSIC MACHINE「Talk Talk」のカヴァーで、コレは「Dirty Water」に続くセンとして狙っていたとしか思えない。
基本的な方向性は前作と同様だが、13曲中9曲と、オリジナル曲の割合が増している。
カヴァーで目立つのは、THE ROLLING STONES「So Much In Love」か。
(コレはシングル・カットもされている)
ヴィック・メイルはビル・ハーリーとの電話で、このアルバムが自分のベストな仕事だと言ったらしい。
ボーナス・トラックはシングルから4曲。
THE 5,6,7,8'sも演っていた「Tallahassie Lassie」が印象的。

『SHOT IN THE DARK』の後、リリース元のレーダー・レコーズがWEAに吸収合併され。
3rdアルバムはワーナーからリリースされることに。
いわばメジャー・デビューと言っても良かったが、レーベルからの口出しも増えたりして、イイことばかりではなかったらしい。
ヴィック・メイルがプロデュースから外れたのもワーナーの指示だったとか。
リリースにも間が空き、3rd『HEATWAVE IN ALASKA』は1982年に出ている。
ややコマーシャルになった気がしないでもないけど、基本路線には変わりない。
ただ、大きな違いがひとつあって…それまですべてのオリジナル曲を書いていたピーター・ガンだけでなく、他のメンバーも曲を書くようになっている。
コレは結果オーライで。
1曲目を飾るベン・ドネリー作「She's Gone Rockin'」も、ジム・ラッセルによるロカビリー風ナンバー「Three Little Sisters」もかなりカッコいい。
カヴァー曲はTHE FOUR TOPSとかフィル・エヴァリーとか、それまでとちょっと方向が違う感じ。
コレはプロデューサーのステュアート・コルマンのアイディアだったそうで。
ジムのご近所さんだったという縁から実現したクリス・ディフォード&グレン・ティルブルック(もちろんSQUEEZE)の提供曲「On The Beat」も興味深い。
ボーナス・トラックの2曲はアルバムに先行して81年にリリースされたシングルの曲で、A面「Me And The Boys」はNRBQのカヴァー、B面「Betty Lou」はバンドにとって初となったメンバー全員の共作曲。

この後ビル・ハーリーが体壊して一時期EDDIE & THE HOT RODSのバリー・マスターズが参加したり、ジム・ラッセルが脱退してエディが正式メンバーになったりと、いろいろありつつバンドは今も活動中(のはず)。
来年は結成40周年か。
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BRINSLEY SCHWARZ/IT'S ALL OVER NOW

2017/08/04 20:55
画像4月にリリースされて間もなく入手していたんだけど、最近まで聴けず。
BRINSLEY SCHWARZ、幻の7th&ラスト・アルバム。
80年代後半に権利関係の怪しいリリースがあったが、今回はイアン・ゴム自身がリマスターして、録音から43年を経ての正規リリース。

メンバーはもちろんブリンズリー・シュウォーツ(ギター、ヴォーカル)、ニック・ロウ(ベース、ヴォーカル)、イアン・ゴム(ギター・ヴォーカル)、ボブ・アンドリュース(キーボード、ヴォーカル)、ビリー・ランキン(ドラム)という鉄壁の5人。
デイヴ・エドマンズをプロデューサーに迎えた6thアルバム『THE NEW FAVORITES OF BRINSLEY SCHWARZ』(1974年)に続く渾身の一作として74年の秋にレコーディングされたのがこのアルバム。
しかし当時リリースされることはなく。
最後まで商業的成功とは無縁なままに終わったBRINSLEY SCHWARZだったが、他のアルバム同様にこのアルバムも中身はナイス。

目玉は何と言ってもニック・ロウが後にソロでヒットさせる「Cruel To Be Kind」の、BRINSLEY SCHWARZによるオリジナル・ヴァージョンが聴けるということだろう。
ボブ・アンドリュースの涼しげなキーボードをフィーチュアしたアレンジ。
ニックの歌い回しもソロとはけっこう違うが、コレはコレで非常にカッコいい。
他にもデイヴ・エドマンズに提供された「As Lovers Do」など、後に日の目を見た曲があり。
それらクォリティの高い曲を当時お蔵入りさせたUAの罪は重いぞ。

それにしても、この時点での彼らの音楽の完成ぶりに目を見張る。
軽さに味のある演奏とアレンジ、ドラム以外リード・ヴォーカルが取れるメンバーをそろえての完璧なコーラス・ワーク。
ストリングスまでフィーチュアした「Hey Baby(They're Playing Our Song)」でのフィラデルフィア・ソウルっぽい洗練や、いかにも南部風なファンキーさを聴かせるインストゥルメンタル「Do The Cod」。
そしてTHE ROLLING STONESで有名なボビー・ウォマックのカヴァー「It's All Over Now」はレゲエに。
(他にも随所でレゲエ風のカッティングが登場する)

結局、トミー・ロウのカヴァー「Everybody」が1975年にシングルとしてリリースされただけで、前後してバンドは解散。
メンバーは散り散りになりつつもそれぞれにパブ・ロック/パンク/パワー・ポップの界隈で活躍して行くことになる。
ともあれこの力作が正式にリリースされたのはめでたい。
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ASPHALT TUAREGS/SEXES(2014)

2017/08/03 21:08
画像フランスの、よく知らないバンドの3rdアルバム。
ちょっとおしゃれっぽい感じもするジャケットはOSANNAの『SUDDANCE』あたりをほんの少しだけ思わせないこともないが、中身はおしゃれでもなければプログレっぽくもない。
そして“アスファルトのトゥアレグ族”というバンド名もなんだかよくわからない。

フランシス・ルバ(ギター、ヴォーカル)、ディー・ディー(ベース)、オリヴィエ・フォンテーヌ(ドラム)の3人組。
とにかく情報の少ないバンド。
ネットで検索してもほとんどフランス語のサイトしかひっかからない。
(ちなみに曲名や歌詞は英語)
メンバーのうちの誰かは知らないけど、以前はBACKSLIDERSというバンドをやっていたとか。
2009年に1stアルバム『OFF THE RAILS』、13年に2ndアルバム『OUT OF MY BRAIN』をリリースしている。

デトロイト・ロックやオージー・パンク、そしてMOTORHEADなんかの影響を受けているらしい。
音楽的に一番近いと思うのは、80年代後半以降のオージー・パンク/ガレージ/オルターナティヴ勢か。
とりあえずMOTORHEADには全然似てない。
アンサンブルの土台となっているのは、重心低く地を這うようなベース。
時にトライバルにも響くドラムが突っ走り。
そして、何処かねじれた感じのギターと、しわがれてひしゃげたヴォーカル。
ベースを中心とする重さとかフリーキーな感覚とか、そのへんが一部のオーストラリア勢に近いと感じさせる部分だろう。
勢いのあるワイルドな演奏を聴かせるんだけど、なんだかあまりストレートな感じがしない。

その奇妙な感じを象徴しているのが、全12曲(4曲目と5曲目はつながっているので、トラック数は11)中で唯一のカヴァーである「My Mind Ain't So Open」だろうか。
MAGAZINEの曲だ。
この手のバンドでMAGAZINEのカヴァーって、あんまり聞いたことないよな。
ってか、ジャンル問わずMAGAZINEをカヴァーするバンド自体、珍しい気が。

詳細不明ながら、なんとなく気になるバンド。
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STUPID BABIES GO MAD/LONG VACATION

2017/08/02 21:33
画像4月に観に行ったSLIP HEAD BUTTのレコ発で、STUPID BABIES GO MADの健在ぶりは確認していたが。
遂に11年ぶりとなる4thアルバムがリリースされた。

1stアルバム『SPEED, THRILL, STUPID!』は後にDIWPHALANXから再リリースされているが。
俺は1998年のオリジナル・リリースの際に入手していた。
その後アルバムも聴き続けたしライヴも観ていたのだけど。
(DOLLでインタヴューもやった)
リズム・セクションが安定しないなどの問題があり、3rdアルバム『LET'S GO TO OFF LIMITS』(2006年)以降はあまり名前を見かけなくなり。
それがここに来てようやく完全復活となった。

現在のパーソネルはIMA(ヴォーカル)、Choh-Brain(ギター)、DEEJAY(ベース)、Jr(ドラム)の4人。
ギターを重ねてほぼツイン・ギター状態、14分の曲などもあって実験性とダイナミズムの両方を前面に出していた3rdアルバムに対して、今回は2〜4分の10曲で約30分。
ギターをあまり重ねていないばかりか、モノラル・ミックスですべての音が塊となって押し寄せるようなサウンド。
(「DIS COMMUNICATION」のみ、ギターとベースとコーラスが左右に振り分けられている)
レコーディングとマスタリングは、前作同様Atsuo(Boris)と中村宗一郎が手がけている。

本当に、びっくりするくらいギターを重ねたところが少ない。
ギター・ソロのバックにリズム・ギターをオーバーダブしてすらいない曲ばかりで、まるでスタジオ・ライヴを聴いているような生々しさがある。
それでいて音が薄いなどということはまったくなく。
太いベースがアンサンブルをガッチリ支えている。
そして楽曲をドライヴさせるドラム。
タルい曲などひとつもない。
全てが暴虐のビートとリフで突っ走り続ける。
初期の音楽性に回帰した感がある、という俺の感想に対して、インタヴュー(現在配布中のFOLLOW-UPで読めます)でのChoh-Brainはそのような意識はなかったと発言したが。
とはいえこのアルバムで聴ける音は、PLASMATICSあたりの影響を標榜していた1stアルバムの頃を少しだけ思い出させなくもない。
もちろん楽曲も音作りも、かつてとは違う。
2017年のSTUPID BABIES GO MADの音だ。

生々しいと言えば、IMAのヴォーカルも。
前作から歌詞がほぼ日本語になっているが、それが実に聴きとりやすい。
そして、サイコパスの独白のような歌詞は相変わらず。
来年で1stアルバムから20年になるが、音も言葉も研ぎ澄まされこそすれ、まったく丸くなるような部分がない。

待たされた甲斐のある1枚。
『LONG VACATION』、本日リリース。
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OLEDICKFOGGY/壁中、月光 眼を剥く

2017/08/01 21:23
画像OLEDICKFOGGY、3作目のDVD。
アルバム『グッド・バイ』に伴うツアーの最終日、2016年10月1日・渋谷TSUTAYA O-EASTでの30曲を2時間以上に渡って収録。

先日俺自身がワンマンを観たO-WESTより広い(と思う)O-EAST、こちらもパンパン。
アルバム『グッド・バイ』同様、「マネー」でスタート。
63公演にも及んだツアーの千秋楽、メンバーは完全燃焼で飛ばして行く。
四條未来(バンジョー)は1曲目から帽子を飛ばし。
(飛ばし…って、いきなり帽子かい。ちなみに後でかぶり直す)

その四條未来、先日観た時も思ったけど、「何故そこでその動き!」という感じの、謎のアクション(笑)。
大川順堂がドラムを叩きながらコーラスに大活躍する一方で、四條はあんまりコーラスしない。
まったくコーラスせずにひたすらウッドベースをブンブン鳴らすのはTAKE。
スージー(ギター)は一人でロックンローラー。
yossuxiは重そうなアコーディオンを下げたまま、1曲の中でキーボードも弾き分ける。

そしてマンドリンを弾きながら前のめりな歌を聴かせる伊藤雄和。
それにしても強靭な喉の持ち主だ。
63公演叫び続けて、まだまだ叫んで叫ぶ。
コンディションはベストではなかったに違いない。
高音が苦しそうなところもある。
しかし委細かまわず歌いまくる。
10曲歌い終えるまで、MCもしない。
(次のMCは21曲目の後)
で、10曲終わったところで「後半戦に行きます」と言ってしまった伊藤、大川順堂から「まだじゃん?」と突っ込まれる(笑)。

そんなメンバーの演奏を、実に14台のカメラが追う。
アップに引きに、ステージ下から頭上からと、自在なカメラ・ワークと編集。
スージーのギターにもカメラが付いているようで、ギターを弾く手元のアップが時々映し出される。
最早いわゆるインディーという感じのしない作りには、バンドの勢いもさることながら、スタッフ側のバンドに対する思い入れのようなモノが象徴されているようにも感じる。

本編27曲の丁度ど真ん中、14曲目でyossuxiが歌う「暁のメナム」。
(ゲストのバグパイプ入り)
実に良いアクセント。
ちょっと恥ずかしそうに歌う姿に萌え。

「暁のメナム」もそうだけど、本当に幅広い楽曲と人なつこいキャッチーなメロディ…パンクな勢い溢れまくる演奏との両輪で、OLEDICKFOGGYの大きな魅力。
先日初めてOLEDICKFOGGYを観た友人が「楽器編成の必然性がない」と言っていたんだが、俺としては「いや、そうじゃねえだろ」と。
バンジョー、マンドリン、アコーディオン、ウッド・ベースをフィーチュアしたラスティックな編成でいろんなこと演るのがOLEDICKFOGGYのOLEDICKFOGGYたる部分じゃないか。
確かに「この編成でこんな曲演るの?」と思うような曲も多いんだけど、それをラスティックな編成というある種の制限を課しながら表現するからこそ、このバンドならではの音になっていると思う。
いろいろなタイプの曲を黙々と弾き続けるTAKEを見ていると、ウッド・ベースの可能性は無限だ…とか思ったりも。

歌い、叫び、クラウドサーフしたりステージからダイヴしたりと盛り上がるフロアの様子もかなりフィーチュアされている。
みんな実に楽しそう。
この人たちの大半にとって、OLEDICKFOGGYのジャンルも編成も関係なかろう。
とにかく最高にゴキゲンな演奏を聴かせてくれるバンドが目の前にいる、それだけのはず。
そして3曲のアンコールまで、終始最高潮の盛り上がりでライヴは終了する。
バンドはその後も転がり続けている。

各楽器の音がとてもよく聴こえる、クリアで分離の良い録音もナイス。
7月26日より絶賛発売中。
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