INAZUMA SUPER SESSION/ABSOLUTE LIVE!!(1987)
80年代前半・・・鈴木賢司、というと学生服&メガネでTVに出てギターの曲弾きをしてる人、というイメージがあったんだけど。数年後、ロン毛にしてアルバムを出すようになっていた。
その鈴木賢司が、いきなり元CREAMのジャック・ブルース(ベース、ヴォーカル)とライヴをやったというんでびっくりした。
なんとも絶妙にダサいユニット名で(笑)。
そのライヴの記録。
会場は、今は亡きインクスティック芝浦ファクトリー。
ドラマーはTHE GOLDEN PALOMINOSのアントン・フィア…と、また豪華。
この人、70年代にはクリーヴランドでELECTRIC EELS周辺にいた人でもある。
鈴木賢司のアルバムにアントンが参加して、そこからジャック・ブルースに声がかかって…とかいう話だったと思う。
ジャック・ブルースというと、このライヴ以前のアルバムが1983年の『AUTOMATIC』。
87年の時点では、何やってんだろう…という感じだったんで、この来日にはなおびっくりした。
一方87年というと、前にも書いたけど俺自身はCREAMの『LIVE CREAM VOLUME Ⅱ』を聴きまくっていた頃だったんで、非常にいいタイミング(?)だった。
87年にCREAM…というと、今では「?」という感じかも知れないけど、80年代半ば~末といえばTHE CULTがSTEPPENWOLFの「Born To Be Wild」をカヴァーしたり、DOCTOR & THE MEDICSがBLACK SABBATHの「Paranoid」をカヴァーしたり、GASTUNK改めGASTANKが当のCREAM「Sunshine Of Your Love」をカヴァーしたり…と、主にネオ・サイケの流れからクラシック・ロックが見直されていた時期でもあり。
鈴木賢司の曲も演っているし、THE GOLDEN PALOMINOSの曲(作曲はアントン・フィアと元THE CONTORTIONSのジョディ・ハリスと元SLAPP HAPPYのピーター・ブレグヴァド!)も演ってるけど、観客の(そしてもちろん俺の)お目当ては当然ながらCREAMの名曲の数々。
「White Room」や「Sunshine Of Your Love」といった代表曲が、ジャック・ブルースのぶっといベースとイイ声で繰り出される。
WEST, BRUCE & LAINGの「Out Into The Fields」も披露。
もちろんCREAM時代に較べればベースの手数も爆音ぶりもおとなしいもんだけど。
(『LIVE CREAM VOLUME Ⅱ』で聴ける「Sunshine Of Your Love」エンディングのグシャメシャな全員攻撃とか、逆に80年代にあの音はどうやっても出せなかっただろう)
後ろ向きとも捉えられかねない方向性だが、この頃と言えばCREAMもう一方の雄エリック・クラプトンはYMOのカヴァーとか演ってた時期だし、ジャックの豪快な演奏はまぶしく感じられたものです。
アントン・フィアのドラムもパワフルにしてタイト。
鈴木賢司も当時22歳とは思えない超絶速弾きで健闘。
(CREAMっぽく弾かない、ということは相当意識していたんじゃないか)
ギターの音量がやや抑えめ…なのはしょうがないだろう。
ステージの主役は、なんと言ってもジャック・ブルースだ。
それにしても、コレを聴くとつい思い出されるのが、当時の時代の空気感というか。
狂乱のバブル経済に突入していた80年代後半…「アントン・フィア? ジャック・ブルース? おお、誰だか知らんけど呼んだれ呼んだれ、ハコはインクスティックじゃい!」とかいう(?)、スポンサー企業の鼻息みたいな。
ともあれ、鈴木賢司がその後英国に渡ったのは、この時にジャック・ブルースの勧めがあったからなんだとか。
そしてジャックはこの後、アルバム『A QUESTION OF TIME』(1989年)をはじめ、ゲイリー・ムーアと一緒にやってみたりと再び活動を活発化させることに。
(2018.8.9.改訂)
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