V.A./WHAT A WAY TO DIE(1983)
インターネットの恩恵もなければ日本語で書かれたガイド本もなかった80年代後半~90年代前半、ガレージやサイケのマイナーどころは、情報がないなりにオムニバスなんかを買い漁っては聴いていたモノです。そんな中の1枚。
スージー・クアトロのTHE PLEASURE SEEKERS時代の音源は聴けんかなあ…などと思っていたら、そのものズバリ、PLEASURE SEEKERSの曲名をタイトルにしたオムニバスを見つけたのだった。
(しかし表ジャケットはPLEASURE SEEKERSではなく、RICHARD AND THE YOUNG LIONS)
“15 Forgotten Losers from the Mid 60's”という副題通り、ほとんどは60年代半ばにシングル1枚だけ出して消えていったようなノーヒット・ワンダーのティーン・パンカーたち。
そんな中で一番大成したのは、やはりTHE PLEASURE SEEKERSで歌っていたスージー・クアトロだろう。
同じバンドに参加していたパティ・クアトロもFANNYでちょっと活躍。
(ナンシー・クアトロは?)
ともあれ70年代のグラム・ロック時代とはまるっきり違う、ポップでキャッチーながらもタメのない前のめりなガールズ・ガレージにシビレます。
例外的にリリースが多いバンドもアリ。
A面ラストを飾るTHE RENEGADESは、スリーヴノーツでは“スカンジナヴィアのバンド”とか書いてあるが、実際はフィンランドをベースに活動していた英国出身のバンドで、1966年までにフィンランド国内で4枚のアルバムをリリースしている。
レミーが在籍していたTHE ROCKING VICKERSもフィンランド限定でシングルを出しているし、60年代のフィンランドはけっこうR&Rな土壌があったのね。
ギターとヴォーカルのキム・ブラウンは、2011年に亡くなるまでフィンランド在住だったらしい。
そしてこのバンドのキーボーディスト、ピーター・ゴスリングは、なんと80年代にはRENAISSANCE(!)で活動していたのだった…。
バンド自体は60年代後半にイタリアに拠点を移して71年に解散しているが、イタリア時代のギタリスト、ジョー・ダネットは、(同名異人でなければ)その後ミッキー・カーティス&サムライに参加(!)。
あと、THE YARDBIRDS「Evil Hearted You」のナイスなカヴァーを聴かせるTHE HUMAN BEINGZは、もちろん「Nobody But Me」で有名なHUMAN BEINZのこと。
しかし後世に名を残したのはスージー・クアトロとHUMAN BEINZくらいのモノで、後のバンドはメンバーのうち一人がサイケの時代になって別のバンドでアルバム出したり、とかいうのがある程度で、ほとんどはきれいさっぱり消えてしまっている。
しかしそんなことは問題じゃない。
この一瞬にすべてを賭けたガレージ・ロッカーたちの若く青い情熱がどの曲でも堪能出来るのは、他のガレージ系オムニバス同様。
全曲無闇な勢いに溢れてる。
(2019.3.6.改訂)
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