山本正之/アノ世ノ果テ(1995)

画像このブログを御覧の皆様の中で、山本正之を知っているという人は多数派だろうか、わからない。
しかし、山本正之の曲を聴いたことがないという人は、日本に一人もいないのでは、とさえ思ってしまう。
そして、山本正之を御存知の皆様の中で、彼が天才であることを疑う人は少なかろう。

…ってなワケで「タイムボカン」シリーズで有名な山本正之の、オリジナル・アルバムとしてはえーと、6枚目?
1995年作。
安っぽいアレンジ、同じようなメロディ、何とも軽い声。
しかしそんなことはまったく問題ではない、山本正之は天才だから。

同じようなメロディが多いのは、毎作続く“シリーズもの”の歌が多いからでもあるが、同じようなメロディをアレンジだけでアジアっぽくもイタリアっぽくもしてしまうのが凄い。
このアルバムでもおなじみ“美少女もの”と“歴史もの”の連作が収録されていて…それぞれ「南極観測流氷美少女」と「源平超暦いざ鎌倉」。
いつも天山高原とかシチリアとかの雰囲気をたちまちにして作り上げてしまう“美少女もの”(あるいは冒険もの)には毎回舌を巻くが、それにしても南極って…(またちゃんと南極っぽい?感じになってるのが…)。
常に世界を冒険し続けている主人公“博士”が実はもの凄い資産家であったことが、ここで初めて明らかにされている。

歴史に関して偏った、かつ間違った知識が植えつけられてしまう“歴史もの”の歌詞もいつも素晴らしい。
そう、この歌詞が…笑わせ泣かせ、ときにプロテストする歌詞の数々、何よりコレが山本正之の天才ぶりを際立って示している。

前々作あたりからコーラスで参加するようになっていた甲本ヒロト(!)が、このアルバムでは大フィーチュアされているというのも聴きモノ。
「南極観測流氷少女」では“声優”としても登場し、更に「過ぎし日のロックンロール」では途中でヒロトがリードヴォーカルをとるブルーハーツ風の曲まで挿入されていたりする。

このようにヒロトにも敬愛され、誰知らぬ者のない名曲を多数モノにしつつ、ソロアーティストとしての山本正之は、不遇な印象が拭えませんね。
歌手としてもっと売れてもいいのに。


(2017.1.7.改訂)



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