THIN LIZZY/THE BOYS ARE BACK IN TOWN(1997)
THIN LIZZYについては以前トリオ編成時代の編集盤を紹介したが。こちらは変則編成のライヴ盤。
元々TV放映用の映像から落とした音源で。
同内容のVHSだかDVDが出ていたはずだけど。
ちょっとびっくりするぐらい音が悪い。
ブートに毛が生えてないぐらいの音質。
8曲40分しかないし。
(国内盤CDの帯には“ゲイリー・ムーア在籍時の真のマスター・ピース”なんて書いてあるぞ…)
しかし内容は興味深い。
1978年10月29日、オーストラリアはシドニー、OPERA HOUSEでのライヴ。
26000人以上(!)のオーディエンスを集めて行なわれたという。
パーソネルはフィル・ライノット(ベース、ヴォーカル)、ゲイリー・ムーア(ギター)、スコット・ゴーハム(ギター)、マーク・ナウシーフ(ドラム)の4人。
78年1月にリリースされたライヴ盤『LIVE AND DANGEROUS』はブライアン“ロボ”ロバートソン(ギター)を含む黄金時代の4人でのライヴが収録されていたが。
このライヴの時点ではロボの脱退後で、ゲイリーが加入している。
それだけならばまだイイが、この時点では何故かブライアン・ダウニー(ドラム)もいない。
で、代役を務めているのが元IAN GILLAN BAND他のマーク・ナウシーフ。
このアルバムで以前彼のソロ・アルバムを紹介している。
素晴らしい名手です。
ブライアンの特異なグルーヴ感とはちょっと違う感じだけど、まったく問題ないプレイぶり。
ともあれ、大観衆のもの凄い大歓声に迎えられて、最初からどんどん飛ばして行く。
随所でコール&レスポンス入れまくり。
この時点でレコード化されていなかった「Waiting For An Alibi」でさえ(笑)。
しかも誰もこの曲を知らないはずのオーディエンスが、イントロから手拍子バンバンして、コール&レスポンスでちゃんと“Waiting For An Alibi!”と叫ぶんだから…。
この時点ではメロディ・ラインとかが後の完成形とは少し違っているのも興味深い。
「Are You Ready」「Me And The Boys Were Wondering How The Girls Are Getting Home Tonight」と連発されるスピード・ナンバー(実際には続けて演奏されたワケじゃなく、編集されている様子だが)では更に大盛り上がり。
「Boys Are Back In Town」みたいに、きちんと書かれたツイン・リードのソロを弾く部分では大人しくしているゲイリー・ムーアだけど、定型のソロじゃない部分ではやはりというか鬼のように弾きまくる。
(「Waiting For An Alibi」のあのソロもこの時点で完成していて、スコット・ゴーハムはなんとかついて行っている)
音質が悪いとかなんとか言いながら、CDが終わる頃にはすっかり高揚させられてしまう(笑)。
しかしこのライヴから1年も経たない1979年7月、ゲイリー・ムーア脱退。
思えばそれがTHIN LIZZYの“終わりの始まり”だったか。
(2022.7.28.改訂)
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