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zoom RSS 岩明均(原作)・室井大資(漫画)『レイリ』第五巻

<<   作成日時 : 2018/11/13 23:56   >>

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画像1年も待たされた『レイリ』最新巻。
(室井先生、頼んますよ…)

織田徳川連合軍に完全包囲された高天神城。
レイリの提案に従い、城兵たちは若い者たちを脱出させるための決死の策に打って出る。
城主・岡部丹波守らが陽動のために出陣する傍ら、レイリは切り立った尾根の細道「犬戻り猿戻り」で独り鬼神の奮闘を見せ、年若い城兵たちを脱出させるための時間を稼ぐ。

レイリが心酔し敬愛し続けた岡部丹波守は、第五巻で遂に退場となる。
その死に様は描かれない。
上品な作劇だと思った。
しかし本当にそうだろうか。
丹波守は死んだ。
「動かなくなった多くの何か」の中の肉塊のひとつとして。
それが示唆されるだけでも、十分に残虐な描写、なのかも知れない、とも思う。

レイリは第三巻ほど縦横無尽に暴れまわるワケでもなく。
(戦闘シーンは前半の80ページ余り。そのうち30ページ近くは敗走の模様が描かれる。とはいえレイリの奮戦ぶりは圧巻だが)
第四巻ほど泣かせに泣かせるワケでもなく。
地味と言えば地味かも知れない。

しかし。
第五巻ではレイリの心境の大きな変化が余すところなく描かれている。
「死にたがり」の狂戦士ではなくなったレイリの心境が。
「人をいとおしむ思いとは、自らをいとおしんでこそ生まれるのです」「何よりも、わたしが自分の命を邪険にしたのでは、わたしをいとおしんでくれたみんなに顔向けができぬ!」「だからもう死にたいとは思わない」「思ってはいけない」
ああ、やっぱり泣けるわあ。

例えば、今現在絶望の淵にあって、死ぬことしか考えられないような人がいたとして、レイリの言葉がどれほど響くかはわからない。
でも、一度でも死を想ったことがあって、その上で自分を大切に思ってくれる周りの人たちを思い出し、結局苦しくとも生き永らえているような人…そんな人は、第五巻のレイリの言葉に泣きながらうなずくのでは。

岩明均の作劇もさることながら、登場人物の心情を生き生きと活写する室井大資の手腕はもっともっと評価されるべきだと思う。
そして物語はいよいよ天正10年。
史実では武田家滅亡。
武田信勝も土屋惣三も死ぬことになっている。
その彼らがどのように生きるのか。
どのように死ぬのかではなく、それまでをどのように生きるのか。
第六巻が楽しみで仕方ない。


『レイリ』第五巻、8日より絶賛発売中。

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