LORD HIGH FIXERS/THE BEGINNING OF THE END…THE END OF THE BEGINNING!(2002)

LORD HIGH FIXERS.jpgテキサス州ヒューストンのガレージ番長ティム・カー率いたバンドのラスト・アルバム。
アルバムやミニアルバムを出すたびにレーベルが違っていたが、コレはイン・ザ・レッドからのリリース。

リリースは2002年だが、バンドは前年に解散していた。
そのためか、マイク・キャロル(ヴォーカル)、ティム・カー(ギター)、アンディ・ライト(ギター)、ロビー・ベックランド(ベース)、ステファニー・ペイジ・フリードマン(ドラム)の5人は”the lord high fixers were”とクレジットされている。

MUDHONEY「You Got It」、MORLOCKS「One Way Ticket」、THE IMPRESSIONS「People Get Ready」、フィル・オクス「I'm Gonna Say It Now」、ナサニエル・メイヤー「I Had A Dream」他、雑多に過ぎるカヴァーが多い。
そして、バンドが当初より聴かせていたフリーキーでアヴァンギャルドなサウンドは、ここに極まっている。
最早いわゆるガレージ・パンクには聴こえない曲の方が多い。

何故かサックスの音が聴こえる…と思ったら、以前このブログでも紹介したシカゴのTHE VANDERMARK FIVE(https://lsd-blog.at.webry.info/201607/article_1153.html)のリーダー、ケン・ヴァンダーマークがゲスト参加している。
ケンは演奏だけでなくソングライティングでも2曲にクレジットされていて、「Theme From The Ballad Of Jesse Saywers」なんかはほとんどジャズそのものだ。
そしてアルバムはティム・カーのギターとケンのサックスの多重録音による「The New Spiritual」で終わる。

全体がジャズっぽいワケではなく、それは部分的な要素に過ぎない。
とにかくどの曲でも、先述の通りフリーキーかつアヴァンギャルド。
パンクもガレージももちろんあるが、ガレージ・パンクのファンよりかは、むしろDESTROY ALL MONSTERSや初期のTHE RESIDENTSなんかが好きな人にウケそう。
恵まれた才能をファンが付いてこられないような方向に全振りするという点で、ティム・カーにはミック・コリンズあたりに共通する部分も感じたり。

そのティム・カー、近年はイラストレーターとして活躍しているのだそうで。