光束夜/RAY NIGHT 1991→1992 LIVE(1995)
というか、このバンドはリリースされている音源の大半がライヴだが。
光束夜を知ったのは、明大前にあったモダーン・ミュージックが出していた音楽誌「G-Modern」でだった。
で、最初に買ったのがこのライヴ盤だった。
モダーン・ミュージックが運営していたレーベル・PSFではなく、アメリカのフォースト・エクスポージャーからのリリース。
1978年に結成され、79年に初ライヴ。
(その後、その初ライヴの音源がリリースされたのには驚いた)
ようやく1stアルバム『光束夜』が出たのが91年。
で、このライヴ盤はタイトル通り、1991~92年にかけてのライヴ音源を編集したモノ。
初期はシンセサイザーが入っていたり、一時期HIGH RISEの南條麻人がベースを弾いていたりとメンバー交代を繰り返したバンドだが、ここでは30年近い活動の中で最強ラインナップだったのではと思われる金子寿徳(ギター、ヴォーカル)、ミック(ベース、ヴォーカル)、高橋幾郎(ドラム)のトリオ。
ミックの、エンジン音のようなベースと、呪うように祈るように虚空に放たれるヴォーカル…だけで、どうにかいわゆる”曲”の体を成しているかのような楽曲。
金子寿徳のギターはノイジーというのもはばかられるような異音をまき散らし。
そして「この人は何を叩いているんだろう…」と思わずにいられない、「ガタッ、ガタッ」と鳴る高橋幾郎のドラム。
コレこそ真の”ドゥーム・ロック”ではなかろうか、などと思ってみたりする。
「記憶の夢」のリフがちょっとTHE STOOGES「I Wanna Be Your Dog」に似ているな、と思う以外には、いったい何の影響でどうしてこんな音楽になったのだろう、という音楽が詰まっている。
昔某誌で金子のソロ・アルバムのレヴューを書いた時”黒を塗り潰す黒”と評した記憶があるが、それは光束夜でも同様だ。
収録時間69分。
それでも収まり切らず、フェイドアウトする曲もあるとはいえ。
しかし「移り」に始まって「苦痛壊歌」に終わる曲の流れが非常に良い。
(収録日時や場所などのクレジットは一切ない。というかメンバーのクレジットもない)
結局光束夜のライヴを実際に観ることは一度もなく。
2007年1月、金子寿徳の死をもってバンドは消滅する。
金子はまだ48歳だったはず。
ここでのミックの特異に過ぎるヴォーカルを聴いていると、高橋幾郎がその後森川誠一郎と組んだのがなんとなく納得出来るような気もする。
俺がその高橋のドラミングを初めて生で体験したのが、高橋と森川が組んだ血と雫のライヴでだった。
ともあれ光束夜は忘れ去られることなく。
金子寿徳の死後10年経っても、10周忌の追悼ライヴが開催されたりしていた。
今年で没後14年が経過している。
この記事へのコメント