ARTHUR LEE/Unissued 1965 Demos(2006)

ARTHUR LEE.jpgアーサー・リーがLOVE以前に録音して未発表だったデモ2曲を収録した7inch。
老舗ノートン・レコーズからのリリース。

A面がARTHUR LEE AND THE AMERICAN FOUR「Stay Away」、B面がARTHUR LEE AND THE GRASS ROOTS「You I'll Be Following」。
どちらもアーサー・リーと共にLOVEでデビューするジョニー・エコールズ(ギター)が参加していたようで、スリーヴの裏面はジョニーがノートンのミリアム・リナとのインタヴューで語った言葉でびっしり埋め尽くされている。

アーサー・リーとジョニー・エコールズ、それぞれの家族は二人が生まれる前からメンフィスで親しくしていたのだという。
アーサーの母親の方が年上で、彼女はジョニーの祖母ととても親しかったのだとか。
(二人とも教師だったそうで)

LAに移ってからもアーサー・リーとジョニー・エコールズは近所に暮らしていて、その近くにはオーネット・コールマンや、エラ・フィッツジェラルドの夫だったベーシスト、レイ・ブラウンなどが住んでいて、いたるところに音楽があったという。
アーサーと共にレコードやラジオを聴いて育ったジョニーが初めて手にした楽器はトランペットで、学校の楽団に所属していたが、彼は間もなくギターに転向。
そんなジョニーにプロの演奏家として演奏する術を教えたのは、THE COASTERSのアドルフ・ジェイコブズだった。

ジョニー・エコールズが14歳の時(多分1961年)、二人は最初のバンドTHE L.A.G.'sを結成し、アーサー・リーの家のガレージでリハーサルを繰り返す。
故郷メンフィスのBOOKER T. & THE MG'sが”メンフィスのグループ”を標榜してMG'sだったのに倣って、彼らは”LAのグループ”としてL.A.G.'sを名乗ったのだとか。
当時のアーサーはオルガンをプレイしていた。
リズム・セクションはジョン・フレッケンスタイン(ベース)とジョン・ジェイコブセン(ドラム)。
しかしジェイコブセンは事情で大学を中退すると共にバンドも脱退。
バンドが63年にキャピトル・レコーズからシングルをリリースした時は、ローランド・デイヴィスがドラムを担当していた。

そこにTHE BEATLESが登場。
アメリカ人も負けてはおれんということで、新たにドン・コンカ(ドラム)を迎えたTHE L.A.G.'sはTHE AMERICAN FOURと改名したのだった。
バンドはハリウッドじゅうのセッションに参加し、ジョニー・エコールズはフィル・スペクターの元でも演奏したことがあったという。
車のCMソングを録音したAMERICAN FOURはTHE PLATTERSのマネージャーだったバック・ラム(なかなか鼻持ちならない人物だったらしい)の仕切りでデモを録音する。
それがこの7inchに収録された「Stay」だった。
THE BYRDSっぽいイントロからフォーク・ロック風に始まる、と思わせて、アーサー・リーのダウナーなヴォーカルが途中でシャウトに転じ、ジョニーの鋭いギター・ソロが炸裂する。

その後バンドはTHE GRASS ROOTSと改名。
マルコムXのアルバム『MESSAGE TO THE GRASS ROOTS』から取ったのだという。
その頃、アーサー・リーとジョニー・エコールズは共演したTHE O'JAYSのバックを務めていたジミ・ヘンドリックスと知り合い、ジミが死ぬまで交友が続くことになる。

THE GRASS ROOTSにはその後ボビー・ボーソレイユ(リズム・ギター)が加入するが、間もなくブライアン・マクリーンに交代。
1965年の夏の終わり頃、ハリウッドのクラブBIDO LITO'Sを拠点にするようになったバンドではアーサー・リーがヴォーカルに専念する一方で、映画業界を志したジョン・フレッケンスタインが脱退し、元THE SURFARISのケニー・フォーシが参加。
しかしドン・コンカとブライアンはTHE MONKEES(!)のオーディションに参加するためにバンドを離脱し、ドンはそのまま復帰することなく。
バンドには新たにアルバン”スヌーピー”フィステラーが加入する。
この時点で、LOVEデビュー時のラインナップがそろっていた。
アーサー20歳、ジョニー・エコールズはこの時点でまだ18歳だった。

この7inchに収録されたARTHUR LEE AND THE GRASS ROOTS名義の「You I'll Be Following」が1965年のいつ頃にどのラインナップで録音されたのかは不明。
やっぱりTHE BYRDSっぽいイントロ(実際BYRDSにはかなり影響されたらしい)に始まるが、THE AMERICAN FOUR時代よりもずっとLOVEっぽい感じになっている。

ハリウッドで人気バンドとなりつつあったTHE GRASS ROOTSだったが、同名の別バンド(「Live For Today」で有名な方)がいたために改名することになる。
1966年1月のことだった。
SUMMER'S CHILDREN、ASYLUM CHOIRなどの候補の中からBIDO LITO'Sの客の投票で決定した新しいバンド名がLOVEだったという。
そしてLOVEはエレクトラ・レコーズとの契約を得ることになるのだった。


ブライアン・マクリーンとケニー・フォーシは1998年に、アーサー・リーは2006年に世を去り。
一方、THE GRASS ROOTS脱退後にチャールズ・マンソン一味の殺人犯として服役したボビー・ボーソレイユは74歳の今も存命。
ジョン・フレッケンスタインは映画製作の世界で働いた後、21世紀に入ってから再結成THE STANDELLSに参加している。

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