BAY CITY ROLLERS/Saturday Night(1976)
彼女たちは休み時間になる毎に、カセット・デッキでBAY CITY ROLLERSを聴き続けていた。
小学校を卒業する時、彼女たちは卒業文集に、そろって同じことを書いていた。
”私の夢は、将来エジンバラに行って、ある人たちに会うことです”
BAY CITY ROLLERSの代表曲「Saturday Night」。
元々は1975年9月25日のリリースだが、俺の手元にあるコレは76年になってから「Bye Bye Baby」とのカップリングで再発されたモノ。
アラン(ベース)とデレク(ドラム)のロングミュアー兄弟によってTHE SAXONSが結成されたのが1965年(!)。
グラム・ロックの後に出てきた人たち、と思っていたら実はキャリアがあったのだった。
68年にBAY CITY ROLLERSに改名。
71年にシングル「Keep On Dancing」でデビューし、全英9位と幸先良いスタートを切る。
その後メンバー交代があり、レスリー・マッコーエン(ヴォーカル)、エリック・フォークナー(リード・ギター)、ステュアート”ウッディ”ウッド(サイド・ギター)、アラン・ロングミュアー(ベース)、デレク・ロングミュアー(ドラム)というよく知られた編成になったのが1974年のこと。
75年に「Bye Bye Baby」が全英チャートで6週連続1位となり。
76年には「Saturday Night」が全米1位と、大旋風を巻き起こす。
(日本で大人気、というイメージがありつつ、オリコンチャートでは26位止まりだった)
実は初代ヴォーカリスト、ノビー・クラーク在籍時の1973年に一度シングルとしてリリースされていた「Saturday Night」だった。
しかしその時はヒットせず。
機が熟したというべきか。
まあ実にキャッチーな曲である。
イントロの掛け声から曲名を連呼するサビまで、非の打ち所がない。
"S-A-TUR-DAY-NIGHT!”がRAMONES「Blitzkrieg Bop」のヒントになったのは、今更言うまでもないだろう。
バンドにはキーボーディストはいなかったが、後ろの方で鳴っているオルガンも良い隠し味になっている。
カップリングの「Bye Bye Baby」は…良いメロディだけど、改めて聴いてみるとわりと地味だよね。
コレが6週連続1位って、やっぱり時代の追い風が吹いていたんだろう。
1976年に入るとメンバー最年長のアラン・ロングミュアー(と言っても当時まだ28歳)が脱退。
(若返りを狙ったのは”悪徳”マネージャー、タム・ペイトンの差配だったか)
アランよりも10歳下のイアン・ミッチェル(リズム・ギター)が加入し、ウッディがベースにコンバート。
しかしイアンは7ヵ月で脱退し(ROSETTA STONEを結成)、後任として同じく18歳のパット・マッグリンが加入。
クラスの女子たちが休み時間の教室でBAY CITY ROLLERSを流し始めたのは、確かこの頃だったはず。
ところがパットも約半年で脱退。
(SCOTTIESを結成)
小学校の近くの廃屋に、クラスの女子たちの仕業と思われる”パット脱退反対”という落書きが見られたモノであった。
結局アラン・ロングミュアーが復帰して以前の編成に戻ったBAY CITY ROLLERSだったが、当然ながら元のままの彼らではいられなかった。
1978年に3度目の来日を果たした後、レスリー・マッコーエンが脱退。
アルコールとコカインでボロボロになっていたという。
バンドは後任に元RABBITのダンカン・フォール(ヴォーカル、ギター)を迎えて活動を継続し、バンド名をTHE ROLLERSに短縮したりもしたものの、かつての栄光を取り戻すことはかなわず、81年に解散となる。
むしろよく持ったというべきなのか。
アラン・ロングミュアーは解散後にたちまち破産し、バンド結成以前の仕事だった配管工に戻ったとか。
デレク・ロングミュアーはBAY CITY ROLLERS解散と共に音楽活動から引退している。
まだ30歳の若さだった。
(彼だけはその後の再編に関わることもなかった)
その後も再編を繰り返したり、〇〇's BAY CITY ROLLERS名義とかがあったりしたが。
一方でデレク・ロングミュアーが児童ポルノ所持で逮捕されたり。
(冤罪だったとか)
レスリー・マッコーエンがコカイン所持で逮捕されたり。
そして2018年にアラン・ロングミュアーが死去。
20年にイアン・ミッチェルが死去。
21年にレスリー・マッコーエンが死去。
しかしエリック・フォークナー(現在68歳)とウッディ(65歳)はいまだに活動しているらしい。
この7inchは、DJで使おうと思って渋谷のRECOfanで安く買ったと記憶する。
実際何度回したかわからない。
さて、K桐さんたちクラスの女子は、エジンバラに行けただろうか。
そしてかつての彼女たちの熱狂を薄目で観ていた俺が「Saturday Night」を回しまくっているこの21世紀、彼女たちは今でもBAY CITY ROLLERSを聴いているかな?
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