MUSTANG JERX INTERVIEW(前編)

MUSTANG JERX MOJO LIGHT.jpg この8月1日にアルバム『MOJO LIGHT』をリリースしたMUSTANG JERX。ちょっと遅くなってしまったが、リリースに伴うインタヴューをここに紹介しよう。
 メンバー交代の多いバンドとしても知られる(?)MUSTANG JERX、現在のメンバーは高森サトル(ギター、ヴォーカル)、利果(ベース、ヴォーカル)、マグ(ドラム)の3人。イギー・ポップとブルース・リーが合体したような高森がいつも上半身裸でスライドを弾きまくる、パンクとブルーズを無理矢理融合させたようなR&Rと狂騒的なパフォーマンスが特徴的だったMUSTANG JERXだが、現在は黒人音楽への傾倒を深めてグッと重心低くなったサウンドで新しい次元に突入している。
 9月18日に新宿で、高森にインタヴュー。MUSTANG JERXのインタヴュー記事は幾つかの音楽誌などに掲載されたようだが、それらとは一味も二味も違ったものになっている…はず、多分。


―2000年結成だから、もう来年10周年?
「はい、今10年目に、もう入ってますよ」
―前のミニアルバムが…。
「もう7年前」
―音源の度にメンバーが違うバンドですけど(笑)、音楽性もその都度けっこう違いますね。
「違いますねえ(微笑)」
―フルアルバムのリリースがここまでなかったっていうのは、やっぱりメンバーが安定しなかったというのが?
「一番の理由ですね」
―で、やっとアルバムが出せるようなメンバーが固定したと。
「はい」

―アルバム出したことで、周りの状況が変わったみたいなところってのは?
「…正直まだ実感ないですね」
―そのアルバムの話なんですけど。…一気にルーツ・ミュージック寄りの部分が前に出て、ミニアルバムの時にあったパンク寄りの部分が後退したって感じなんですけど。
「そうッスね」
―スライドギターは前からフィーチュアしてたワケですけど、前にも増して前面に出てますよね。あと、ブルーズに根差した音楽性…でもコレは、元々持ってたものですよね。
「そうですね」
―ちなみに、ブルーズ・ギタリストで影響を受けたのは?
「…スライドで影響受けたのは、ジョニー・ウィンターとライ・クーダーが一番」
―白人だ!
「はい」
―意外だそれは…。
「はい、ジョニー・ウィンター大好きで。中学くらいから」
―実は、個人的には…ミニアルバムの頃のギターや曲のスタイルは、ジョージ・サラグッドとかそのへんの影響を感じてたんですけど。
「嬉しいですねえ!…実は、聴いてないです(笑)」
―そうなんだ(笑)。
「(周囲からも)何べんも言われてて、曲としてはいろんなDJの方がかけてるのを聴いて、すげえ好きだと思ってるんですけど、聴き込んだりは全然したことないんです」
―バンドをやっていく上で、そういうルーツ・ミュージック志向と、高森さんの根っこにあるイギー・ポップ/THE STOOGESからの影響っていうのが、なんか上手く並び立ってる感じは?
「…なんていうのかな、STOOGESとかもちろん大好きですけど、例えば、なんか…今回のアルバムって、パッと聴き、“STOOGES感”みたいなものは凄く薄くなったと思うんですよ。“東中野のイギー・ポップ”なのに(笑)。…それは凄くあるんですけど、でもしっくりきてない感は全然なくって、そこは何かな?…とか凄く考えたりはしないですけど、自分の中で何となくの答えとして持ってるのは…何かで見たイギー・ポップのインタヴューで、「No Fun」の話をしてる時に…「No Fun」は、「Walk The Line」だ、って。ジョニー・キャッシュの。…で、STOOGESに感じるブルーズ、イギー・ポップにとってのブルーズ・ミュージック観みたいなのを凄く感じるんですよ。ジョニー・キャッシュがあって、STOOGESがある。で、STOOGESがあってこっちか、っていうと…もしかしたらそうじゃないかもしれないけど、ジョニー・キャッシュから来た感じ、っていうのは同じものを持ってる…と思う」
―STOOGESの2ndって、ファンク/R&Bですよね。
「『FUN HOUSE』、もうホントに!」

―…それで、今度のアルバムから、作詞作曲が全部バンド名義になってる。以前の音源では、少なくとも“作詞;高森サトル/作曲:MUSTANG JERX”とか“作詞・作曲:高森サトル”とかになってたんだけど。…高森さんのバンド、というイメージが強いMUSTANG JERXなんですけど…音楽性の変化というのは、高森さん自身の志向によるものなのか、メンバーが変わってきたことによって自然にそうなって来たものなのか…。
「あ、メンバーだと思います」
―何しろ、今のメンバーのバックグラウンドというのをよく知らないし。
「マグくんは、ケンくんの紹介です。ブルースサイドアタック、桜の花(満開の下)の。前は、何やってたのかな?…なんか、知らないバンドをやってて。で、利果ちゃんは、ベースを持ったのが、確か今から2~3年前」
―元々、プレイヤーとしては初心者だったと。
「そうなんですよね。だから、(プレイヤーとしての)バックグラウンドは、ないと思います」
―ステージでお馴染みのレパートリーが並んでますけど、今のメンバーになって書き下ろした曲っていうと?
「「Mojo Light」と「Mary Jane」、2曲だけですね。他は、アレンジはもの凄く変わってますけど、今のメンバーになる前からの曲です」
―ヴォーカルが一人増えてるっていうのもあるから、印象が全然違う…。特に、利果ちゃんのヴォーカルが前面に出てるというのは、ライヴを観て当然予想はついてたワケですけど…コレは、活動をやってく上で、こういう風になるとは自分自身予想出来てなかった?
「そうですね。…メンバーがコロコロ変わった分、変わって来たもの…どのメンバーの時もなんですけど、そのメンバーが活きる、ってことをやっぱり、考えるんですね。MUSTANG JERXっていう名前で、やってきて…バンドとしてやるんだったら、その時のメンバーが活きるものをやらないと…。こうやるから、コレが出来る人を探す、でやっちゃうと、“高森バンド”みたいになっちゃう。それはもう、嫌っていうか、面白くない。…だから、予想が毎回付かない(笑)」

―結果としてはかなり変わりましたが…ファンの反応とかって、どうです?…賛否両論あると思うんですけど。
「あ、ありますね。ファンって言ってもそんなにいっぱいいるワケじゃないですけど…。昔から見てくださってる人…大越さんも含めてですけど、一番最初に、盤出る前にライヴがあるワケじゃないですか。ライヴ観た時は“えっ?”っていう反応ですよ。だけど俺は、基本パンク・バンドなんで、気になんないです、そういうのは。ハハハ、みたいな(笑)。だけど…それで観なくなる人はもうそれで終わりだと思うんですけど、その次も観る人にとっては、“なるほど!”になる。とっても、それは感じますね」
―…ちなみに「Mojo Light」って、「Spoonful」ですよね?
「なんスか?」
―あれっ?「Spoonful」って…CREAMが演ってる、ハウリン・ウルフの…。
「マジッスか?…似てる?」
―似てる…てっきり下敷きにしてるかと…。
「俺、CREAMほとんど聴いてないッス…。聴いたことある、くらいだと思うんですけど、意識にはない…」
―意外(笑)。…いや、俺、てっきりブルーズとかガッツリ聴いてるクチかと。
「あ、ロバート・ジョンソンは大好きですよ。あと、ジュニア・キンブロウも大好き。でもジュニア・キンブロウも、マンホールの久家くんに、“イギー・ポップが電話した人だって”って聞いて、“マジッスか?そんな人が!”っていって聴いたくらい。だから、意外と…黒人ので聴いてるのって、モータウンぐらい。それは昔からスティーヴィー・ワンダーとかSUPREMESとか好きで聴いてました」
―てっきり、ハウリン・ウルフとか聴きまくってるのかと…。
「あ、好き!…ハウリン・ウルフとか、好きですけど」
―マジック・サムとかは?
「聴いてないですねえ(苦笑)」


…以下、更にぶっちゃけまくる後半に続く。
お楽しみに。


(2019.8.9改訂)

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