虚飾集団廻天百眼/冥婚ゲシュタルト
“美しく激しく狂おしく”を標榜し、阿佐ヶ谷ザムザあたりを中心に公演を続ける劇団(?)虚飾集団廻天百眼。4月に舞台『屍のパレード』のサントラ盤をリリースし、その時は俺もFOLLOW-UP誌上でインタヴューした。
(忙しくてブログをしばらく休んでいた時期だったんで、サントラ盤はここで紹介出来なかったが)
その『屍のパレード』からたったの半年でリリースとなった新たなサントラ盤がコレ。
『冥婚ゲシュタルト』。
2014年2月に初演され、この6月に再演。
脚本と演出は石井飛鳥。
石井の紡ぐ物語をベースに、音楽監督である西邑卓哲(以前このブログでも紹介したFOXPILL CULTのシンガー)が作曲し、ほとんどの演奏も担当している。
(一部、FOXPILL CULTのShinpei Mörishigeも参加)
遺伝子操作で作られたサブヒューマンがラブドールとして存在する世界。
人間そっくりの外見を持ち、思考も感情も持ち合わせながら人権のない存在。
そんなラブドールの解体ショーを行なう秘密クラブに出かけた主人公・ヒラサカ。
そこに警察のガサ入れが入り、クラブを経営するギャングとの銃撃戦が始まる。
混乱の中、1体のラブドールがヒラサカに助けを求め、彼はラブドールを連れてクラブを脱出することに。
見た目は人間とまったく変わらず、人間と同じように考えもすれば心も動くラブドールたち。
しかし人間としては扱われない。
何が違うのか。
ラブドールが人間でないとして、では人間とは何なのか。
…俺はこのサントラしか聴いてなくて、本公演は観てないんだけど、そういう話になると思う。
そしてそんなディストピアの、寓話的なラヴストーリーは、絢爛たるセットや衣装、そして血しぶき飛び散る演出で展開する。
ここではそういった視覚的要素はアートワークなど最小限でしかなく。
聴き手は西村卓哲が書きキャストが歌うこのサントラを聴いて、物語を追体験することになる。
初演は2年半前なので、楽曲も『屍のパレード』より前のモノということになる。
MAGMAばりの(?)コーラスを全編に配していた『屍のパレード』に対し、『冥婚ゲシュタルト』はよりロック色強め。
台詞とか朗読とかも多いんだけど、全体にはいびつなロック・オペラ的ムード。
『屍のパレード』に較べると独唱のパートも多く、ハード・ロックばりの疾走感も随所に。
かと思えばバッキバキのテクノみたいなのもアリ。
ひっかかりの強い独特の言葉遣いが印象的な脚本…をベースにしているが故、ナチュラルに変拍子も多く(歌詞のノリが必然的に変拍子の曲を生成させるんだろう)。
とっつきづらく感じる人もいるかもだけど、楽曲はかなりポップだったりロックしてたりも。
「レプタイルダンス」なんかはスピーディーでカッコいいハード・ロック・ナンバーだし。
「特捜!邏卒24時!」は観客も踊ってしまうという激ダンサブル曲。
ジャケットからしても、ゴスいの好きな人とかは気に入りそうだよね。
基本的には、本公演観るに越したことはないんだろうけど。
とりあえず耳から入る虚飾集団廻天百眼の入門編として。
(あと、2014年の公演のDVDも出てます)
『冥婚ゲシュタルト』5日リリース。
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