人間とは何であるか
人間といえば分類学における正式名称は”ホモ・サピエンス(homo sapiens)”。
”知恵のある人”を意味する。
スウェーデンのリンネの命名だが、動物の中で唯一ロゴス=理性を持つ存在という、古代ギリシャ以来の人間の定義に発するのだそうで。
他にも、人間のいろいろな側面が”ホモ〇〇”という言葉で言い表されているが。
ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)。
ホモ・レリギオースス(宗教を持つ動物)。
ホモ・ロークエンス(言葉を操る人)。
ホモ・エコノミクス(経済人)。
その他諸々。
曲名だのアルバム・タイトルだのに”ホモ〇〇”なんてのを持ち出す例として、パッと思い浮かぶのは何故か日本のバンド。
FOXPILL CULTが2016年にリリースした3rdアルバムのタイトルは『HOMO DEMENS MAN』。
”ホモ・デメンス”というのは”愚かな人””発狂した人”あるいは”錯乱の人””倒錯の人”みたいな。
哲学者・社会学者モランの命名で、ホモ・サピエンスの対義となる概念という。
FOXPILL CULTがどうしてそんな言葉をアルバムのタイトルにしたのかというと、人間とは何であるかに対する懐疑、一方でその懐疑を突き詰めることによって最終的には人間や自分自身を肯定的に捉えようという意図があったような。
当時彼らにインタヴューした時にそんな風な話をした記憶がある。
…で、いきなり直で”ホモ〇〇”じゃなくてひねった例になっちゃうんだけど。
先日EP「ピンクの10月うさぎ 1991」(https://lsd-blog.at.webry.info/202202/article_3.html)を紹介した釧路の木端微塵…の前身バンド・FOMO=FAVEL。
このバンド名は、ベルクソンの命名による”ホモ・ファーベル(homo faber)”=”ものを作り出す人””工作人”をひねったモノ。
バンドは楽器という道具を使って目には見えない音楽を作り出すから、なるほどという感じ。
さっきまでサン=テグジュペリのことを考えていて、気が付いたらこんな話になっていた。
『星の王子さま』に登場するキツネは王子様に言う。
「かんじんなことは目では見えないんだよ」
ああ、音楽は目に見えないな。
そしてサン=テグジュペリも、生きることの意味、つまるところ人間とは何であるかを考え続けた人であった。
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