岩明均『骨の音』

骨の音.jpg岩明均のデビュー作「ゴミの海」を含む初期短編集『骨の音』。
このブログを御覧の皆様で、持っているという人も少なくないのでは。

俺は1990年に刊行された時に買っていたのだが。
会社員時代、後輩に貸したまま借りパクされてしまった。
(後輩は返さないままいきなり会社を辞めて地元に帰ってしまった)
最近ひょんなことから2003年の”新装版”が手に入り。
25年ぶりくらいで手元に戻ってきた。

新装版からでももう20年近く経っているのか。
最初に出てから32年。
収録された作品はどれも80年代のモノ。
「ゴミの海」は1985年の作品なので、40年近くも前ということになる。

読み直したけど、今読んでも面白いなあ…。
登場する”悪そうな人”がややステレオタイプかつ今となっては古臭いとか(ヤンキーとかチンピラとか)、ファッションや髪型が完全に当時(バブル時代)の感じだとか、そういうアレはあるにせよ。
代表作『寄生獣』や原作を手掛けた『レイリ』に見られた、人間とは何なのか、何故生きるのかといった哲学的な問いのようなモノの萌芽は、この頃にも既に見えている。

一方、90年代以降ほど練れていなくて、若き日の作者の内面のギラギラした部分がそのまま出ている感じもする。
収録作中で一番新しかった「指輪の日」が1989年。
岩明均、当時29歳。
狂気を感じさせる各キャラクターも、紛れもなく若き岩明の分身だったワケで。

狂気。
全作ではないにしろ、この短編集のキーワードは”イカレた女”かな。
(「和田山」みたいな、イカレた男が出てくるのもあるけど)

それにしても岩明均、やっぱりかわいい女の子を描くなあ。
俺が『風子のいる店』で彼のファンになったのも、まず風子のかわいさというのがあった。
「骨の音」のヒロイン・カオリは、『寄生獣』の加奈の原型になったのではないかと。


…と思ったら、『寄生獣』で加奈が登場してから死ぬまでをつい読み返してしまった。
民宿の娘・真樹子もかわいい。
(仕事しろ)

"岩明均『骨の音』" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント