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zoom RSS FAUST/W(1973)

<<   作成日時 : 2018/06/06 22:11   >>

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画像昨日はひどい目に遭ったけど、生きてます。

さて、70年代ジャーマン・ロック異端中の異端、FAUSTの4thアルバム。
一般に3rdアルバムとされる『TAPES』(1972年)は、実際には廉価盤として発売された未発表音源の編集盤(というかコラージュ盤?)。
しかしその次に出たアルバムに結局『W』と付けられたのは、レコード会社とバンド、どちらの意向だったのか。

90年代に復活する以前のオリジナルFAUSTとしては、最後のアルバム。
しかしFAUSTのアルバムが国内発売されたのは、コレが初めてだった。
当時の邦題が“廃墟と青空”。
付けも付けたりという感じ。
帯コピーには“「ヴェルヴェット」「ピンク・フロイド」以後、最大の異端、暗黒グループ「ファウスト」の悪夢の反世界、ついに登場!!”とある。
ライナーノーツはもちろん(?)故・間章。

このアルバムに関してはA面1曲目、12分に及ぶ「Krautrock」に尽きるだろう。
60年代以降、ドイツ国内に無数に湧いて出たロック・バンド群。
米英のロックを本流とすれば明らかに傍流とされ、“ザワークラウト・ロック”と揶揄された連中。
(第二次大戦中、ドイツ人は米英から“キャベツ野郎”と言われていたという)
しかしFAUSTの「Krautrock」こそは、「そうだよ俺たちゃキャベツ・ロックだよ、文句あるか」という宣言であり、食べ物の名を冠した“クラウト・ロック”が“めんたいロック”同様に肯定的な響きを持つようになった、その端緒だと思っている。
ただクラウト・ロックという言葉がフツーに使われるようになったのは90年代以降と記憶する。
俺が80年代にFAUSTやCANを聴き始めた頃には、“ジャーマン・ロック”というのが一般的だった。
そしてKRAFTWERKのラルフ・ヒュッターは00年代に入ってもクラウト・ロックと呼ばれることを拒否していたとか。

ともあれ「Krautrock」。
パイ生地のように折り重なったオルガンやギターや電子音が、タンバリン(?)以外はほぼノンビートの状態でモヤモヤ、モゾモゾと蠢き。
7分近くなって突如斬り込むドラムに支えられながらも浮遊し続ける。
構造的にはPINK FLOYD「One Of These Days」に似ていないこともないが、むしろ似ているのは構造だけだろう。
シド・バレット脱退以降のPINK FLOYDには見られないシュールさが、B面ラストまで続いていく。

LPの帯にある悪夢の云々みたいな言説は70年代以降FAUSTが語られる時について回った常套句だが。
一方でこのバンドはネジが1本足りない感じの奇妙な人懐こさをまとい続けたバンドでもあった。
特に、耳について離れない反復リフを作るセンスは大したモノだと思う。
『FAUST』(1970年)収録の「Why Don't You Eat Carrots」に聴けるホーンのリフや、『SO FAR』(71年)の「It's A Rainy Day, Sunshine Girl」で炸裂するギターのカッティングや、『TAPES』での(いわゆる)「Shempal Buddha」や。
このアルバムでも然り。
「Jennifer」や「Giggy Smile」あたりに顕著。
ポリドール時代の2枚に較べると、アグレッシヴさが後退してなんだかイイ湯加減。
そして間抜けで物悲しくもあるヴォーカル。

それにしてもこのヘンテコぶりは一体何処から来て、何を目指していたのかと、改めて思う。
ライナーノーツで引用されたメンバーのインタヴューによれば、自分たちの音楽で“もうひとつの部屋”を用意するというのが理念だったらしい。
最初からオルターナティヴな精神の塊みたいなバンドだったワケだな。

なので昔も今も聴き手を選ぶバンドだとは思うが。
このアルバムが1992年にCD化された時、どっかの音楽誌に掲載されたレヴューで“精神を病んだことがある人間でなければこのアルバムは理解出来ない”みたいなことが書いてあって、腹が立ったのを覚えている。
どうしてそういう風に、ヘンな囲い込み方をしたがるのか、まったく理解出来なかった。
実際にはそんなレッテル貼りは無用の音楽。
ヘンテコな音楽を好きな、より多くの人に聴かれてほしいもんです。

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