OUT/OUT

OUT.jpg先月のリリースだが、紹介遅くなった。
札幌で2012年に結成されたというトリオの1stアルバム。

メンバーは橋本昌徳(ヴォーカル:ギター:元やぎ、KARMA他)、渡部徹(ヴォーカル、ベース:元ライナスの毛布他)、岡田亜土(ドラム:元パラフレーズ、やぎ、KARMA他)の3人。
このブログを読んでいる人で、上記の元〇〇、というところに反応する人はどれぐらいいるのだろうか。
ってか平均年齢は何歳だ…と思わずにはいられない、80年代札幌インディーズ・シーンの古強者が集まったバンドとなっている。

年齢を感じさせない、初期衝動という言葉を使いたくなる勢いと、一方で年輪を感じさせる確かな技術と表現力。
11曲で27分しかない。
4分以上の曲は2曲しかなく、2分以下の曲が4曲。

大半の楽曲は橋本昌徳と渡部徹がそれぞれに作詞・作曲していて、それぞれ自分が作った曲を自分で歌っている様子。
(「二重少年」のみ二人の共作で、ツイン・ヴォーカルが掛け合う)
ちょっと遠藤ミチロウあたりを思わせる橋本、ドスの利いた叫びを聴かせる渡部、各々のヴォーカルの対比がユニーク。
CDの帯にある”狂ってる あいつは 俺の心臓めがけて 刺す”というのは橋本作「刺す」の歌詞。
この曲のサビの歌詞”Hello my paranoia”に、かつて札幌で”Hello my schizoid”と歌っていたFALSE CHARGEを思い出す…のは俺だけだろう。
(必ずしも歌詞が聴き取りやすい曲ばかりではないので、歌詞カードがあるとよかったのだが)

空間系のエフェクトを多用したギター。
ゴリゴリしたヘヴィなベース。
タイトで乾いたドラム。
鋭く疾走する楽曲にはFRICTIONあたりに通じるモノを感じたり。
スローな曲でのフリーキーでドロドロした感覚は、やはり80年代のアンダーグラウンドなシーンを通り抜けてきた人たちならではと言った印象。
ラストはレトロなリズム・ボックスに乗せて独特な叙情っぽさを漂わせる「Derweze」でシメる。
「Derweze」は橋本昌徳の作詞・作曲で、このアルバムのリリース元もDerweze Recordsとなっている。
(”Derweze”というのは、天然ガスが燃え続けている”地獄の門”と呼ばれる場所があるトルクメニスタンの村のはず)

俺が札幌に住んでいた80年代、渡部徹がやっていたライナスの毛布のライヴを何度も観たモノだった。
ライナスの毛布はかなり長いこと活動していたのに正式なアルバムはリリースしていないはずで(MARBLE SHEEPとの連名作が1枚ある)、この2020年になって元メンバーの新しいバンド(と言ってももう8年経っているが)のアルバムを聴く機会が巡ってきたことには驚かされた。
HAWKWINDや初期PINK FLOYDあたりの多大な影響を感じさせたライナスの毛布とこのOUTの音楽は随分違うものの、80年代の札幌でライヴハウスを賑わせていた人たちが今も活動を続けて、今の自分たちの音を鳴らしているのは実に喜ばしい。
そういえばあのバンドのあの人とか今はどうしているのだろう…などと思いつつこのアルバムを何度も聴いている。
(何しろ27分しかなくてすぐ聴き終わるので)


『OUT』、6月6日より発売中。

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